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有機野菜とインドの食文化を多くの人に伝えたい

有機野菜とインドの食文化を
多くの人に伝えたい(第2回)

  • あーりあわらと農園
  • 園主 ブシャン・アケボノ さん
中学生の時にインドから来日し、有機野菜作りや加工・販売にも取り組んでいるブシャン・アケボノさん。彼女はなぜ日本で農業に取り組み、将来どんなことを目指しているのでしょうか。2018年1月31日、仙台合同庁舎で行われた「新規就農促進フォーラム」でのブシャンさんのスピーチと、その後に行ったインタビューをまとめました。

失敗ばかりでも、周りの人の協力があればうまくいく

新規就農で大変なことも多かったかと思います。失敗事例は?
基本的に失敗ばかりです。野菜づくりを始めてみると、仙台と気温も違うし、畑にもどういった作物が合うのかわからない。土に合わない野菜を作ってしまい失敗しました。

私はオーガニックの野菜を作っているので、まずは土づくりが大切。最初はたくさんの人に、「どんな方法が良いのですか?」「どんなものを作った方が良いですか?」と相談しました。

周りの農家さんからは、この畑では以前何が作られていたのかを教えてもらいました。また普及センターに土壌検査をしてもらい、農地に合うような野菜を知りました。そういった情報を元に野菜づくりを始めたら、うまくいくようになりました。

高校や大学校で農業のことを勉強しましたが、勉強と実際にやるのとでは大きな違いがありました。たくさんの方に相談して、応援してもらって、農業をすることができています。

協力を得るためにはコミュニケーションが大事

ブシャンさんのように、応援してもらえる人とつながるにはどうすればいいでしょうか?
情報収集することも大切ですが、何よりもコミュニケーションです。私も周りの人に協力してもらえなければ、何もできなかったと思います。そこで、まずは挨拶から大事にしています。笑顔で接すれば、日本の方は優しいので返してくれます。

人とのコミュニケーションを通じて仲間づくりをすることも大事です。たとえば美里町に引っ越した時は、JAの女性部に入ったり、一緒にお茶会をしたり、イベントで踊りを踊ったりして、少しずつ輪を広げていきました。今では、おじいちゃんやおばあちゃんと言えるような存在もできました。やはりコミュニケーションは大事だと実感しています。
コミュニケーションが苦手な人でも、応援してもらう方法はありますか?
そうですね……。コミュニケーションが苦手な人でも、自分が何を考えているのか、これから何をしたいのかを口にしないと、周りの人には気づいてもらえません。

だから、恥ずかしくても苦手でも、一歩を踏み出すこと。すごく勇気がいりますが、一歩踏み出せば、次からは自信を持って話すことができると思いますよ。笑顔で挨拶して、輪の中に入ろうという努力をしないと、周囲の人がサポートしてくれるようにはならないと思います。


野菜嫌いの子どもたちにおいしい有機栽培を

有機栽培をやろうとしたきっかけは?
私は日本に来てから、野菜が嫌いな子がたくさんいることを知りました。子どもはえぐみや苦みに敏感です。そこで、子どもでもおいしく食べられる野菜を作りたいと考えていたのです。

そんな時に、たまたま研修を受けた農家さんが有機野菜づくりに取り組んでいて、初めて有機野菜というものを知りました。実際に食べてみると、野菜のえぐみや苦みがなく、ほのかに甘味があって、とてもおいしい。これなら子どもでも食べられると思いました。

実際に始めると、土づくりなど大変なことはたくさんありましたが、できた野菜を子どもたちは喜んで食べてくれました。販売にいくと、お母さんよりも子どもの方が「アケボノちゃん、次いつ来るの?」とか言ってくれて、とても嬉しいです。
どちらの農家で有機栽培の研修を受けたのですか?
色麻町の和田洋らん園のお母さんが、洋らんをやめて有機野菜づくりをしていたので、そこで研修を受けさせていただきました。たまたま父の店に来てくれるお客さまと話していた時に薦めてもらったことがきっかけでした。

仙台から色麻町に通い、あれこれと教えてもらいました。そういう親切な農家さんを見つけて、お手伝いをしながら教えてもらうという気持ちが、農業を一から始める人には大切だと思います。

苦労を乗り越えた先に、大きな喜びがある

美里町で農地が見つかった時のことを少し詳しく教えてください。
大学時代に40日間ぐらい、美里町の農家さんでホームステイをしながら研修を受けていました。住む家がまず美里町で見つかり、そして、研修の際に出会った農家さんの方々と再会しました。

私はこっちに引っ越してきたこと、農業をしたいことを伝えたら、近所の農家さんが町の方みんなを集めてくれました。そして「この子が農業をしたいと言っています。誰か農地を貸してくれませんか?」と聞いてくれたのです。数名が手を挙げてくれて、農地を借りることができました。
今後、宮城で農業をやりたいと思っている人へアドバイスをお願いします。
農業が好きで始めましたが、実際に始めてみると大変なことが多く、思い通りにいかない時もありました。でも、大変なことを乗り越えたら、自分が栽培したものをお客さまが食べておいしいと言ってくれるし、自分がしたいように農業ができるので、楽しいことばかりでした。

最初はすごく大変ですが、それを超えれば自分のやりたいことができるし、たくさんの方に伝えることができます。たくさんの方に相談できるような関係を作って頑張ってほしいですね。そうすれば自然と夢が叶えられると思います。

プロフィール
あーりあわらと農園 園主 ブシャン・アケボノさん
  • ブシャン・アケボノさん
  • あーりあわらと農園 園主
  • ホームページ:http://aryawarat-akebono-farm.com/
  • インドのニューデリーで生まれ、中学生の時に料理人である父の仕事の関係で来日。農業高校、農大に進学。研修先で有機栽培を学んだことをきっかけに独立自営就農。年間30種類の野菜を生産し、加工、販売にも取り組む。