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ミニトマトの生産は「気合い」「根性」「実行力」

  • 株式会社イグナルファーム
  • 津田 優 さん

プロフィール:宮城県石巻市出身の23歳。高校を卒業し農業以外の職を経験した後、平成27年、株式会社イグナルファームに入社。現在、トマト生産部門生産主任。平成30年10月からは、大郷町の大規模ハウスでミニトマトの生産を手掛ける予定。

目指すは管内一番の収量が取れるミニトマト生産者

非農家で農業とはほぼ無縁で育った津田さんは、高校卒業後、建設業や接客業など様々な仕事に従事していましたが、ある事がきっかけでイグナルファームが営む農業に魅かれ、3年前に入社しました。津田さんにお話しを伺いました。
テレビを見た翌日に面接依頼
3年前のある夜、テレビ番組の報道ステーションを見ていたら「イグナルファーム」の特集がやっていました。そこで、農業はどんなものか、この会社が目指しているものは何かを知ることが出来ました。東日本大震災後に、4人の生産者が協力して立ち上げた会社。最愛の妻や子ども達、農園や作業場等を失った中、農業で復興し、自分達が頑張ることで被災した街全体が良くなることを考え、取り組んでいる会社の志に心を打たれました。
番組を見た瞬間「この会社に入って自分も一緒にやっていきたい」「地域貢献している会社の一員として、日本に貢献できるような一員になりたい」と思いました。
 そして、翌日には連絡して面接をお願いしている自分がいました。面接後、採用の結果をいただき、3ヶ月の試用期間を経て社員になりました。
農業未経験の中、どのようにして技術を習得し成長していったのかを教えてください
家族、親戚にも農業をやっていた人がいなかったので、農業経験はまったくありませんでした。そのため、3ヶ月の試用期間中から先輩達の動き方を見て、早く出来るようになりたいという想いから「目で見て、盗んで」を繰り返しながら、どんどん吸収していきました。試用期間は、その人次第で延長になる場合もあるので、必死に学んで取り組みましたね。  はじめは、何の知識もなかったので、肥料の専門用語が出てきた際は、何がなんだか分かりませんでした。そこで、疑問が湧いたら先輩達からすぐに聞き、ノートに取って、家に帰っても調べる。早く皆に追いつきたいという想いから日々勉強して覚えていきました。
その積み重ねによって、キュウリ1年、ネギ1年の栽培経験を積み、現在入社3年目でトマト生産部門の生産主任として、一つのハウスを任せていただき、社員・パートさんを含め7名をリードしています。
現在の業務内容について教えてください。
 現在は、ミニトマトの収穫や出荷、手入れ、圃場の管理、社員やパートさんのまとめ役として全体の工程管理等を行っています。

 ミニトマトは、4つの品種を扱っています。1つ目は、キャロルクィーン。普通の赤い丸玉のミニトマトです。2つ目は、トマトベリー。イチゴの形をした赤いトマトです。3つ目は、スノーホワイト。白いトマトといって、海外の品種です。これは、日本で3~4か所でしか栽培されていない品種です。値段も普通のトマトと比べて倍の高値で売られているものです。4つ目は、チェリーゴールド。これも海外の品種です。オレンジ色のミニトマトです。
 以下のように、1年間のスケジュールは、収穫や手入れ管理等があります。
今の時期(7月)は、猛暑によりハウス内の温度を下げるのも限界があるため、大変ですね。現在「環境制御」を導入し、1日の温度や湿度の動きをなるべく理想の形に持っていく工夫をしています。導入前に比べ、ハウスあたりの収量が増加しました。
あとは、「生育調査」も行っています。生育調査区域を決め、1本あたりの木のデータを毎週取得し、調査しています。大玉のトマト生産者が多いため、ミニトマトで生育調査を行っている所が全国的にも少なく、イグナルファームならではの取り組みだと思っています。データを取ることで、今後の生産に関する人材指導に役立てていきたいと思っています。
次に、1日のスケジュールは、主に収穫時、手入れ時で違います。
 私が入社して驚いたのが、パートさん達も、自分がやっているハウスに対して、「プライド」や「目標」を持って取り組んでいることでした。それから私は、新しく社員やパートさんが入って来たら「自分のハウスで何をどうしたいのか?」を聞くように心がけています。それに向かって、皆でどうやっていくか、という話し合いを休憩時間にしています。
 あと、イグナルファームはグローバルGAPの認証を取得していますので、日々整理整頓を心掛けています。誰に見られても恥ずかしくないようにするのはもちろんのこと、社員やパートさん達も綺麗な所で作業したいと思いますので、出来る限りゴミも残さないように取り組んでいます。
やりがいについて教えてください
 直売等で、自分のハウスのトマトを買いに来てくださった方に「おいしかったよ!」と言われることが、一番のやりがいですね。その一言を聞くと、とてもやる気が増します。
 あとは、農業は1次産業であり、日本にとってなくてはならない産業だと思います。それが現状、高齢化でどんどん野菜を作る人が少なっていくのが騒がれています。なくてはならない産業の中で「自分達のように若い年代でどうにかしていきたい!」という気持ちが強くあります。
今後の目標を教えてください
 10月頃には、大郷町の1haの大規模ハウスでミニトマトを生産・収穫していきます。県内でも珍しいため、今話題になっているみたいですね。
 先日、大郷町の建設中のハウスに行き、真ん中に立って全体を見渡しました。現在管理しているハウスから約3.3倍の規模拡大になるため、あまりの大きさに不安になりましたね。ただ、不安と同時に、すごく楽しみもあります。
 現在、1日で300kgぐらいの収量があります。300kgは、たぶん想像つかないかもしれませんが(笑)。収穫は人の手で、色目や傷等の確認を行っています。
 今後の目標は、まずは安定生産すること。それが出来たら、ステップアップして平均収量を増加することです。その目標に向け、大郷町のハウスは、自分が使いやすいように、社員やパートさん達が働きやすいように考え、作業性能や効率アップにつながるようにハウス建設業者さんと毎週打合せを行っています。
将来の夢を教えてください
 独立ですね。大郷町の方で、流れを作り、人材育成した1年後には、独立する予定です。
現在、与えられているミニトマトハウスが3反歩ありますが、そのぐらいの大きさになると人を使わないと出来ない面積になります。まずは、一人で自分がどこまで出来るのかを追及したく、2反歩ぐらいのハウスでスタートしたいと思っています。
 まずは、環境制御を行い、「管内で一番の収量が取れるミニトマト生産者になりたい」と思っています。それが出来た上で、会社にして規模を拡大していきたいと思っています。

 実際、作っていて気づいたことがあります。それは、植物には限界がないこと。
植物の気持ちになって考えてあげ、ずっと毎日見ていると、植物のことがわかってきます。植物を見た瞬間、これ、ちょっとおかしいな。病気だなぁと。色などの状態を見ただけですぐにわかります。これは、栽培をしていく上で大切なことだと思います。
 ハウス内には、何千本という木が植えられていますが、1本の病気を見過ごし、対策が後手になると全体の木に影響し、収量が取れなくなります。
 そのため、「何かあったら、すぐにやること」が大切なことです。
最後にメッセージをお願いします
 農業にまったく無縁だった私が、現在は一つのミニトマトハウスを任せてくれるようになったのには、先輩社員やパートさん達がかわいがってくれて、色々と教えてくれることもありますが、「気合い」「根性」「実行力」があったから今があるのだと思っています。
 誰しも、最初から出来る人は少ないです。どんなに出来ないことがあっても、それをやろうという「意志」が伝われば、指導する側は、もっと教えてあげたい、出来るようになって欲しいと思います。
 私も指導する側に立ってみて、やる気がない人に教えるのは嫌ですね。気合いがある人には喜んで教えたいという気になります。

「気合い」と「根性」があり、自分はこれをやりたい、という意志があり「実行力」のある人は、イグナルファームで成長し成功できると思います。
(写真/文:みやぎ就農ナビ編集チーム)